FF9 やり込み攻略目的


やり込みにも主たる目的がある。これがプレイ全体を支える幹となり、ひとつの指針となる。この幹に「制限」と呼ばれる枝が付いて、やり込みの難しさをアピールする。FF9でもこれまでのやり込みの伝統を引き継いでおり、中でも「低レベルクリア」や「タイムアタック」は人気がある。

 

■ 低レベルクリア / LLC

最もポピュラーなやり込みであろうか。できるだけレベルを抑えて最後まで攻略しクリアする。FF9では唯一レベルアップを余儀なくされるパンデモニウム3連戦を除いては、すべての戦闘で経験値を回避でき、レベル1を維持することが可能である。
そのパンデモニウム3連戦の攻略の仕方により、次の2タイプの低レベルクリアが存在する。

 

・平均レベル4.75(ジタン31)型
・平均レベル8.875(バトルメンバー1)型

 

前者はジタンに経験値を集中させる攻略。これは平均レベルを抑える効果がある。ジタンのレベルが上がるため、比較的攻略しやすい。そのためか、次第にジタン31を最終戦で使わなくなった。後者はジタンをレベル1に保つ攻略。ガーネットを含む3人がレベル22となり、そのキャラクターは以降の戦闘で使わない。メンバーが限られ、またレベル1なため、一般的にこの攻略の方が難しい。
なお、サブキャラクターも低レベル(シナ1、ブランク1、マーカス1、ベアトリクス22)とする場合が多く、その場合「極限最低値低レベルクリア」と云われることもある。

 

FF9は通常攻略と同程度に低レベル攻略が容易い。むしろ低レベル攻略にさまざまな制限を付けることで、戦術の幅が広がるのである。これがやり込みの醍醐味であり、FF9を楽しむための秘訣である。

 

■ タイムアタック / TA

伝統的なやり込みの1つで、さまざまな手段・テクニックを利用して(データ改ざんを除く)、最終セーブポイントにおけるゲーム内時間を短縮する。ただ、FF9に限って言えば、ストップウォッチを使ってエンディング終了時の時間も測定することが多く、そのときを達成日としている。
テクニックだけでなく、アイテムの入手経路や最速パターンなどの研究も重要であり、セーブはこまめにするのが基本である。その上でパターンや戦術が確立し、タイムも安定して高記録が狙えるのならば、セーブ削りをしていくべきである。セーブ時間は短いが蓄積度合いは意外と大きい。

 

FF9発売当初から掲示板などで活発に検討されてきた。その中心人物がスノースさんであり、エクスIIチャートは伝説的存在となっている。
タイムアタックをするときの使用機種は重要で、PSは新しい型であるほど有利、PS2はPSに劣る、というのが世間の常識になっていた。というのも、タイムアタックに必要不可欠なムービーカットは、タイム的に圧倒的にPSの方が有利だったのだ。後にポーズ短縮技も開発されて、最終的にはPS2の方が早いとされている。いずれにしても、何度も練習して体得するしかないだろう。

 

■ 究極データ作成

やり込みの目的の1つに、アイテム収集系や数値MAX系(育成系)がある。究極データを作成するにはそれらをまとめて実行しなければならない。普通は時間をかければ達成できることが多いが、FF9では事情が少し違う。
FF9ではレベルアップ時に装備による補正がかかるので、最大補正を掛けるためにも、できるだけ低レベルで攻略したいところである。また、アイテムコンプリートにはエクスカリバーIIも含まれる。つまり「低レベル」と「タイムアタック」を同時に行う必要があり、これが難易度を上昇させている。

 

したがって、FF9における究極データ作成の目的は「低レベルクリア」「アイテムコンプリート」の2点。ここでいう「低レベル」はジタン31型、「アイテムコンプ」は「だいじなもの」をも含めた完全収集を指す。トレジャーランクSも狙う。
マーカスのレベル上げにかける時間やアイテムの入手経路など、深い研究が必要である。幸いにして「低レベル」が難しくないため、スノースさんのエクスIIチャートにより、工夫すれば誰でも達成可能なところまで難易度が下がった。

 

■ 制限クリア

低レベル維持が難しい制限だったり、レベルアップが余儀なくされる条件だったりする場合が、このタイプの攻略になる。代表的なものは「初期装備」「防具なし」など。
ところで、FF9やり込みの敷居の低さは、やり込みの入門的作品として作られているからだと思われる。というのは、低レベル攻略でさえ無条件ならば通常プレイと難易度が変わらず、エクスカリバーII入手もそこそこの準備をしておけば難しくはないからだ。そのため、制限クリアの場合、レベルを上げてしまえば簡単に攻略できそうなイメージがある。極力レベルを抑えたり一見攻略不可能な制限を見出したりと、他にはない一工夫が求められる。

 

■ 超ボス撃破

超ボスとは最終ボスを超えるような隠しボスの総称である。FF9の場合「オズマ」を指し、この制限付き撃破を目指す。
着眼すべきは精霊イベントの有無である。イベントを終了させているか否かは、攻略上大きな変化があり難易度に直結する。この点は明確にすべきところである。なお、Disc別攻略も着眼することはあるが、オズマの圧倒的戦力により攻略差が出にくいため、こだわる必要はない。
いかなる制限であれ、運の要素は排除し切れないが、攻略の上で安定性を求める努力は必要である。また、やり込みの初期から研究が進められ、さまざまな制限の下で撃破されてきたので、インパクトある制限をしないと注目されにくい。「精霊なし」ももはや当たり前な時代なのである。
現状はやり尽くされた感があり、「ひとり攻略」のレベル下げが唯一の課題といっても過言ではないだろう。なお、「レベル1ひとり」は誰も達成していない。

 

■ リアルタイムアタック / RTA

タイムアタックがゲーム内時間を競うのに対して、実時間を競うプレイのこと。ムービーカットをしないまま、電源ONからエンディング終了時までを計測。基本的なプレイ精神はタイムアタックと同じだが、セーブのタイミングや安全な戦術の構築・アクシデントへの対応など、高い知識とスキルが要求される。
このプレイ形式はDQに始まり、2006年にFF12を通してFFに導入された(※)。この頃は学園祭での実演や実況文字中継などが盛んであり、イベント要素も兼ね備えていたため、目的が「実時間を競う」だけでなく「快適攻略」の側面もあったように思う。

 

記録の点でひとつ。
FF9RTAは半日程度で済むようであるが、2007年現在では「プレイした」という記録しか発表されていない。何度もプレイした平均タイムを出しておくと、プレイ時間の短縮度合いや攻略の改善点などが分かり、今後の参考になるはず。
なお、RTA記録の平均を取ってみるまでは判断が難しいことだが、タイムアタックとの「隔たり」が大きく感じられないのは、セーブ蓄積の影響がそれだけ大きいと理解される。まだ研究の余地は残されている。

 

※ 参考までに、木村さんが「低レベル」実況やり込みに挑戦したことを記載しておこう。(27時間、2002年)

 

■ リカバリータイムアタック / リカバリーTA

(執筆中)

 


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