FF9 やり込み制限項目


やり込みの目的が「幹」なら、制限項目は「枝」である。ただ、枝が多すぎても美しくないように、制限が多いことが難易度に直結しない。あまりに強力な技は時代とともに封印され、後世ではその制限が当たり前のように扱われることもある。

 

■ 固定ダメージ攻撃禁止

通常の攻略でも利用価値の高い固定ダメージ攻撃が相当に強力であることはお分かりだろう。当然、今では特別な事情がない限り封印されている。全12種類。

リーチセブン、盗賊のあかし、サガク剣、ドラゴンブレス、竜の紋章、リミットグローヴ、パンプキンヘッド、カエルおとし、はりせんぼん、ぜになげ、デッドペッパー、ダークマター

初期のやり込み作品では、情報もあまり整理されていなかった事情もあって、主要なもの数点を封印+青魔法禁止+「ダークマタ−」禁止、というやり込みスタイルが一般的だった。だからといって、例えば「サガク剣」多用ということはなく、むしろ一回も使用していなかったりする。本質的に封印していたことは特筆すべきだろう。
実は、FF9では「たたかう」があまりに強力である(究極解析のダメージ公式で計算してみるとよい)。少々の工夫さえすれば強力な固有攻撃などは不必要なのである。

 

■ 自動復活禁止

全4種類。現在では普通に封印されるようになったが、かなりシビアな制限である。

リレイズ、オーラ、おまじない、転生の炎(自動発動)

これらの攻撃には、自動復活によって強大なボスをも簡単に突破できてしまう魅力、一撃全滅しない魅力などがある。特に威力を発揮するのは、パンデモニウム3連戦と最終戦での「ニュートンリング」回避ではなかろうか。
初期〜中期のやり込み作品で、転生の炎(自動発動)だけが禁止されていた実態を考えると、当時のやり込み人の苦悩が伺える。
当やり込みリストでは、自動発動の封印をも込めて「転生の炎」禁止という書き方をした。

 

■ 「突撃」禁止

「突撃」により発動する「たたかう」は、反撃不可、ATBゲージ無関係といった凶悪なる攻撃である。
にも関わらず、当初はあまり注目されていなかったと思われる。固定ダメージ攻撃よりも不便であることや、固定ダメージ禁止攻略もすぐに成されたことなどが主な理由になろうか。
後にダメージ公式が完全解明されて、これによって瀕死化を安定させることができるようになった。さらに、最終戦で特にその効力を発揮することが認識され、そのために禁止度がかなり高くなった。比較的新しい制限であるが重要である。

 

■ アビリティ習得禁止

習得禁止であって使用禁止ではないので、その辺は誤解のないように。
ボス戦では経験値は獲得しないものの、APは獲得してしまうため、装備に注意が必要である。アビリティが何もついていない装備をして攻略すればそれまでだが、そうは問屋が卸さない。
武具の入手、装備変更のタイミングなどの知識を要し、場合によっては装備も満足にできないため、中級者向けの制限内容である。

 

■ ひとり

戦闘を1人で突破するための制限。他3人は戦闘不能にして攻略するのが普通である。
1人で敵の多彩な攻撃をかわさなければならないので、ボス撃破の計画や行動分析などのスキルが試される。一方、攻略キャラが限定されやすく、攻略パターンも似たり寄ったりになりがちなので、工夫も必要になる。
そういう視点で攻略を進めるならば、上級者向けである。
なお、戦闘不能キャラではなく石化キャラを用意するのは、厳密な意味で「ひとり」攻略とは言えない。石化キャラは攻撃の対象になってしまうからだ。

 

驚異的なことに、2001年4月にはレベル1+ひとり攻略が達成された。最も難しいやり込みの1つとして認識されている。低レベルひとり攻略は完全には不可能であり、プラントスパイダ戦を3〜4人で突破し、道中はひとり制限をしないことが常識となっている。

 

■ 防御力無視攻撃の禁止

全4種類。禁止度は低め。

メテオ、コメット、ツイスター、ゴブリンパンチ

これら攻撃は防御力無視というメリットがあるものの、ダメージにムラっ気があり過ぎるというデメリットがある。「ゴブリンパンチ」に限ってはムラっ気はないものの、敵とレベルが一致しなければならず、いずれにしても役に立たない。
FF9では固定ダメージ攻撃という強力な攻撃が多彩にあるためにこのメリットがかすんでしまっている。また、それ以上にデメリットの存在はメリットを潰す程に大きい。特別に注目することもない。

 

■ 割合攻撃の禁止

全7種類。禁止度は低めと考えてよい。

雷鳴剣、グラビデ、グラビデ拳、グラビガ拳、アクアブレス、マトラマジック、アトモス

これについても、一般的に攻撃が当りにくいというデメリットがある。「マトラマジック」も一部戦闘では確かに有効だが、タイムアタック以外で特別視されるとは考えにくい。

 

■ 召喚魔法禁止

主に「転生の炎」禁止(自動含む)のために禁止していた。
初期の頃のやり込みでは、何か特別な制限のために全面的な制限をすることが多かった。昔ながらの制限のかけ方だが基本的な考え方であり、大切にしていきたい。
さて本題に入るが、特別役に立つ召喚魔法というものがないため、禁止するほどのことでもないように思う。むしろ、戦術に幅を持たせるためにも禁止しない方がいいと思われる。

 

■ 青魔法禁止

「リレイズ」や「リミットグローヴ」を封印するのが主目的だが、そもそも固定ダメージ攻撃や自動復活の禁止と共に封印条件として採用されることが多く、そのためバランスの壊れた主要攻撃はそのような別制限の方で封印されていると考えてよい。
一般には「夜」以外は役に立たないとされ、現在では「夜」封印の意味合いが強くなっている。

 

■ 店禁止(羽根付き帽子を除く)

武器屋禁止(羽根付き帽子除く)+合成屋禁止なる制限のことである。片方だけ封印するのも面白いかもしれないが、制限のかけ方としてあまり美しくはない。
さて、この制限は単独ではあまり効果を発揮しない。というのは、チョコボ関連イベントで強力な武具が容易に入手できるからである。
低レベル攻略の場合、羽根付き帽子の購入が絶対必要なため、制限に註が設けられていることが通例であるが、特に記載されていなくても暗黙の了解である。

 

■ チョコボ禁止(お宝2点を除く)

これにより強力な武具の入手が不可能になる。店禁止と併せることで、かなり苦戦を強いられることになり、条件としては結構キツイ部類に入るだろう。中級者向け。
なお、低レベル攻略の場合、チョコグラフ「やすらぎの浜」「小さな浜辺」が必要なため註を設けるのが通例。

 

■ オークション禁止

初期のやり込み作品によく見られる制限で、「ダークマター」封印が主たる封印目的。
もちろん、オークションによって貴重な武具も入手可能なので、その封印も一方ではあるだろう。

 

■ 「なげる」禁止

意外と強力ではあるが「たたかう」の性能が再認識され、現在では一般には無意味な制限という位置にある。
サポートアビリティの装備を禁止するなど、「たたかう」への制限がある場合に「なげる」は本質的に意味を成す。

 

■ 「ジャンプ」禁止

「ジャンプ」は敵の強力な攻撃を回避するのに便利。主に最終戦の「ニュートンリング」か。
それなりに制限があっても通常は「ジャンプ」を使用しなくても攻略できてしまう。
一部の戦闘で「ジャンプ」が主要攻撃になる場合に禁止する他は、あまり意味がないと思われる。
このように、ある戦術を封印するためだけに制限項目に入れる場合は、何も「ジャンプ」に限ったことではない。他にも「突撃」禁止や「ルナ」禁止などがある。

 

■ 初期装備、防具なし

初期装備のため攻撃面ではかなり頼りない。
さらに、防具なしにより防御面で非常に劣る他、アビリティ習得もまるでできない。
この最悪の状況がプレイヤーを襲う。
武器依存の傾向が強いFF9。その骨頂たる「たたかう」がその効力を発揮できず、最も過酷な条件の1つになる。
この状況下では制限クリア目的になるが、それでもレベルを抑える工夫をするとまた一興だろう。

 

■ サポートアビリティの装備禁止

この封印はなかなか酷である。
「たたかう」のダメージ低下も特徴的であるが、最も影響を受けるのがST異常である。
悪性のものに対して全く耐性がないので、いくつかの戦闘では相当に苦しめられる。

 

■ トランス禁止

主に「オズマ」撃破タイプのやり込みで見られる。
トランスによってダメージ倍率が拡大するのは見た目以上に強力である。
他の制限と共に禁止するのが普通である。

 

■ 精霊イベント禁止

オズマ戦攻略を更に難しくするための制限。
もちろん、この制限単独では意味がなく、他に数点の制限を設けるのは当たり前である。
精霊なしの他さまざまな制限の下でオズマを撃破するのが、現在では当たり前のようになされている。

 

■ 南国装備

オズマ戦での制限項目。
弱点だらけ+防御力0がネックになるが、そもそもオズマの攻撃自体が強大すぎるため、それほど意味があるとは思えない。

 

 

★ 「○ターン撃破」について

ATBにはそもそも「ターン」の概念はないので、敵の行動回数という意味で用いることにする。つまり、○ターン撃破とは○回行動される前に敵を倒す、ということである。
以前より「オズマ1ターン撃破」という用語があった。この場合、オズマの性格上必ず先制されるので、この先制攻撃を除外して次の攻撃前に倒すことを指して「1ターン」と表現している。オズマに限っては昔の風習に従うので注意されたい。

 


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