FF9 研究の跡

やり込みには研究が不可欠。「レベルを下げるには～」「時間を短縮するには～」などと自問自答すれば、いずれ何らかの工夫が必要だと気付くはずである。やり込みレポートにおいてその必要な研究を説明することもあるが、やり込みに活用できる形で情報をまとめたサイトも存在した。ここに簡単に紹介させていただく。

FF9データベースだが通常の攻略サイトのそれとは趣旨が異なる。やり込み活用のために、主に戦闘面で役立つ情報が詳細にまとめられている。特に、ダメージ計算の法則、アビリティに関する性質、そしてボスの能力や行動パターンが徹底的に調べられている。

そもそも、「やり込みで役立つ程度に、それなりに調査」でスタートしたはずが、アビリティ解析中にダメージ計算式が定式化され、徐々に解明されていった経緯がある。これが2000年7～8月の話であるから驚くべきことだが、一方でFF9戦闘システムの単純さも浮き彫りになった瞬間だと思われる。
ボスの詳細データは、アイテムやアビリティの性質、ダメージ計算式を駆使することで得られる。決して改造ツールを使用していないところに、もう少し言えば、分析した情報だけを用いて調査しており、さらにそれが正確であるところに、この「究極解析」の信頼性が保障されており、多くのやり込み人が愛する所以である。

なお、FF9やり込みの多くは、「究極解析」そのものを参照するというよりはそのボスデータを参照先としており、ダメージ計算式などの真髄までフルに活用したやり込みは、解析者自身のやり込みを待つほかなかった。これが2001年4月で、FF9やり込みも一応の完成を見た頃だったこともあり、これ以上のやり込みに発展することはなかったのが残念である（※）。

※ 部分的な攻略の進展があったことを付け足しておく。

まずはじめに「Online ULTIMANIA」あり。

Online ULTIMANIAの国内・海外情報は適宜更新され、ユーザへ配信を行っていたが、ネットでのコミュニティを優先した情報規制があったことを忘れてはならない。更新頻度はそれほど高くなく、攻略本としての発行は当時考えられていなかった。このOnline版は特に国内情報は間違いが多く、情報としては海外の方が優れていた。もしかしたら、この影響もあって強く書籍化を希望するユーザが増えたのかもしれない。

「いっしょにTALK！」をはじめとしたコミュニティが盛んで、内容の濃い情報を提供していたため、書籍化に伴ない情報の改正が行われた。その多くは、上記の「究極解析」にならうところだったのではないだろうか。いくつか「究極解析」の名残りと思われる部分が散在する。